「世界でひとつだけの花」という歌が2002年に大ヒットしました。多くの人の心を掴んだのは、人気アイドルグループが歌っていたこともありますが、老若男女から受け入れられたのには、歌の詞の力が大きいのではないでしょうか。歌の中で、自分はこの世の中で唯一無二の存在であること、一人一人が違う存在だと言っています。外見上も内面も、誰一人同じ人などいないということを、私たちは知っています。しかし、学校で、職場で、友人や同僚、集団の中に身を置いた時、「自分は自分」と胸を張って言える人は、意外と少ないのではないでしょうか。周りと、相手と自分を比較して、頭の中で優劣をつけてはいませんか?ルックス、スタイル、立ち振る舞い、しぐさ、声、話し方、頭の良さ、友達の数…等。比べようと思ったら、何項目でも見つけられます。「ないものねだり」「隣の芝生は青く見える」と言う言葉がありますが、他人のものはなんでもよく見えてしまうものなのです。そんな比べ方としている人は、いつでも自分以外の人は幸せで、満たされた人に思えるでしょう。「羨ましい」「あの人だけずるい」など、嫉妬に似た気持ちを抱くかもしれません。「絶対に負けない」とライバル心を燃やすかもしれません。

この記事では、ついつい人と比べて辛い気持ちになってしまう人に向けて、比べる理由や心理、そして、辛い比べ方の癖を直す方法をご紹介していきます。

人と比べてしまう理由

無意識に目の前の相手と自分を比べてしまうのは、どんな心理が働いているのでしょうか。いつも人と自分を比べてしまう人には、いくつかの共通点があります。

承認欲求が強すぎる

人と比べてしまう心理の一つに、承認欲求の強さがあります。承認欲求とは、文字通り「自分を承認して欲しい」という願望です。もっと具体的に言えば、比べてしまう ”あの人より”「もっと自分を認めて」「もっと自分を愛して」「もっと自分を誉めて」という欲求です。それはつまり、自分は、比べている”あの人より” 認められていない、愛されていない、誉められていないという強い劣等感があります。承認欲求が強い人の特徴は、欲求が強い割には、自分から他人に求めることをせず、黙って相手や周りの言動を観察しています。自分から求め、行動しないのは、心のどこかで「どうせ自分は無理」と自分で自分にNOを突きつけて諦めているからです。

心配性で自分に自信がない

見た目や性格、頭脳やスキルなど、自分に自信が持てない人ほど、人と比べてしまいます。自分がうまくできないことばかり想像し、心配ばかりしていませんか?その心理には、「うまくできなければいけない」という強迫観念のような気持ちがあります。それと同時に、「うまく出来ない自分」を認めたくない気持ちもあります。そして何より「自信が持てない自分」を認めることが出来ていません。「自信がない」と思う気持ちをかき消しながら、最悪なイメージばかりしていたら、いつまでたっても自信が持てないし、心配は尽きません。

負けず嫌い

人と比べてしまう理由の一つに、自分以外の誰かを見る時、「勝ち負け」や「優劣」で比べてしまっていませんか?「ここはあの人は私より優れている・劣っている」「あの人に勝った・負けた」と、心の中で常に戦っている人の中には、無意識でやっている人も少なくありません。戦う心理には、「負けたくない」「勝ちたい」という強い気持ちがあり、負けず嫌いなタイプです。このタイプの人は、誰かと一緒にいる時間、相手の言動一つ一つを細かく観察し、一つ一つ比べながら細かくジャッジ(判定)しています。これでは、人と過ごす時間、気が休まりません。そのうち人と過ごすことが億劫になってしまうかもしれません。また、勝負の結果、「自分が勝っている(優れている)」時は気分もいいでしょうが、「負けている(劣っている)」時には、その相手に対してライバル心をむき出しになったり、素っ気ない態度に出たり、負けた自分を見たくない拒絶心が生まれます。これでは、人との関係にも溝を作ってしまうでしょう。

結果重視

曖昧で、中途半端な状態が嫌いで、何事に対しても白黒はっきりつけたがるタイプは、人と比べやすい人です。このタイプの人は、結果が全てであり、途中経過の状態や心情はあまり気になりません。つまり、目に見えることに囚われすぎているところがあります。例えば、自分にはないものを持っているように見える人も、その人は「私には何もない」と自信が持てずにいるかもしれません。欲しいもの全てを手に入れているように見える人も、それを手に入れるまでに、計り知れない苦労をしてきたのかもしれません。白か黒、イエスかノー、100点か0点と、結果だけに囚われていたとしたら、そんな微妙な心情や背景は見えてこないでしょう。結果だけを重視している限り、殆どの物事は白黒はっきりするし、強く比べようと意識しないうちから比べています。

人と比べても辛いだけな理由

人と自分を比べてしまう癖がある人とお話しをすると、大概の人は「自分らしくいたい」「人と比べない自分になりたい」と言います。人と比べてしまうのは、心地悪いことのほうが多いからです。ではなぜ、心地悪くなるのでしょうか。

自分が劣っている部分がクローズアップされる

「あの人羨ましい」「いいな」と思うことはありませんか?それは、自分より優れている部分をクローズアップしてみているからです。人は自分の方が劣っていると思う相手に、より敏感になるし、自分が劣っている部分は他のことよりも鮮明に見えるもの。自分のほうが優れていると思う時、それほど人のことを意識していません。

誰にでも得意・不得意がある

不得意なことに苦手意識を持つ人は多いでしょう。苦手意識を持って行動する時、自分の行動に自信が持てないのは仕方がないこと。そんな時は、ついつい人の行動が気になります。「あの人に比べて自分はなんてダメなんだ」と、自分にダメ出ししていませんか?人は、得意なことは無意識で、不得意に強く意識をするものなのです。誰だって苦手なことを考えるのは、心地悪いものです。

自己否定になりやすい

人は自分が劣っている部分、苦手な部分に焦点を当てやすいもの。何故なら、目立って見えるからです。苦手なことを人と比べても、心地良いわけがありません。むしろ「自分だけ出来ない」気になり、「どうせ自分なんて」と自己否定になりやすいのです。

人と比べる癖を直すための方法とは?

自分の強さを知る

人と比べてつらくなる人は、誰かより自分が劣っている部分ばかり見ています。しかし、人と比べてわかることは、劣っている部分だけではありません。人と比べることによって、自分の優れている部分、強さを知ることも出来ます。あなたが目の前の人より上手にできることは何ですか?小さなことでもいいので、見つけてみましょう。

自分の弱さを認める

誰にでも得意・不得意があるということは、先ほどお伝えしました。大切なのは、「自分には不得意なことがある」「出来ないことがある」ということを認めることです。何でも完璧に熟せる人なんて、恐らくこの世の中に誰一人いません。強さと弱さ、プラスとマイナス、その両方を持っているのが私たち人間なのです。弱い部分を認めず、受け入れたくないという気持ちを持っている限り、人と比べるたびに自分の弱さにばかり焦点が当たってしまいます。いっそ「そう私はこれが不得意」と認めてしまいましょう。そしたらきっと「でも、私はこれが得意」と言えるようになります。

比べる相手は他人ではなく自分自身にする

あなたはどんな人になりたいですか?出来るだけ具体的に思い描き、箇条書きにして書き出してみましょう。他人と比べると自己否定につながりやすいですが、理想の自分と比べると意欲につながります。理想の自分と今の自分を比べることで、今の自分に何が必要なのかが見えてきます。人は変化し続けたい生き物です。理想の自分を具体的にイメージすることで、変化への活力につながります。

人の情報から距離を置く

近年は、FacebookやInstagramなど、個人が情報を発信する時代。友達の投稿を見て、自分と比較して落ち込む人も多くいます。しかし、考えてみてください。誰だって、人に見せたいものしか見せないもの。投稿は楽しいこと、嬉しいこと、お洒落なことで溢れています。他人の投稿を見て、落ち込んでしまう人は、敢えて情報を見ないように距離を置きましょう。

まとめ

例えばあなたがスポーツ万能だったとして、「スポーツ万能」と言える(言われる)のは、あなたと周りの人を比べているから。私たちは、自分一人きりであったら、自分の長所も短所にも気が付かないでしょう。だって比べる相手がいないので、それが良いのか悪いのかがわからないのですから。人と比べるということは、決して悪いことではありません。「心地よい比べ方」を身に着ければ、人と比べることで自分の強みを知り、自信を持つことが出来ます。比べることを自分のプラスにすることが出来ます。人と比較してつらくなるのであれば、今すぐ比べる時の視点を変えてみましょう。ちょっと視点を変えるだけで、あなた自身の今も未来も、明るく映るでしょう。

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